2025.10.01
2025年10月|フランスの食卓で

サン・ナゼールの町にあるインクルーシブレストランへ行こうと
滞在中、通訳もコーディネートも引き受けてくださっている直子さんが誘ってくださった。
知的障害のある方々が働いているレストランで注文も、メニューに色がついていて
緑をいくつ、という風に頼みます。
フロアー担当のマテオさんは、もう5年も、ここで働いていて、
だからここに僕の写真が貼ってあるよ、と自慢そうに教えてくれました。
彼は日本が大好きで、とてもうれしそうに、話しかけてくれます。
時々「マテオ 仕事に戻って」と注意されるくらい、
何度も日本のことを話したくて、私たちのテーブルにやってきます。
出されたお料理が美味しそうで写真を撮ろうとしたら
彼は私に、まっすぐに注意しました。
「食事の時はスマホを出してはだめ」
このことを彼は必ず注意するそうです。誰にでも。
彼はお母さんにそのように教えてもらったからと言います。
フランスでは食事は食卓を囲んだ人たちと、ゆっくり会話をしながら、食べるもの。
そう直子さんから説明をいただき、
日本での周囲の食事の様子を思い浮かべ、未来が心配になるような気持ちに覆われました。
レストランでも自宅でもみんな楽しそうにおしゃべりしながら食事をしています。
さすが食べ物を大切にする国ですね。
私も普段から純夫さんに、「ご飯のとき、携帯やめらいんよ」って言われているのに、
いまこの連絡だけとか、この記事だけ、と言っていたことを猛烈に反省しました。