2025.08.04
2025年8月|サン・ナゼールからの千羽鶴

ジェロームさんのご両親の家の夕飯に、お招きいただいた。
初めてのフランスでの食事で、一番思い出深い。
あさりのような黄色みかかった貝のむき身
柔らかくフレッシュな旨味がいっぱいで、食べ終わるのが惜しいほどうまい。
アボカドの入ったグリーンサラダが添えてあった。
メインはすずき。たっぷりのハーブと一緒に蒸し煮
すずきが丸ごと一尾入る細長い四角い鍋でお父さんが煮ている、
ソースはバターと自家製の赤ワインビネガーで作る。
フランス語はわからないのに、作り方を丁寧に教えてくださって、不思議に良く理解できた。
庭でとれたレモンは粒をのこしたままほぐして、少し塩で味付けしたもの、好みですずきにかけてもいい。
お母さんはデザートのレモンパイを焼いてくださった。
フランスではお母さんが席に着いたら食事が始まるのだそう。
食事の途中でメイン料理のタイミングになると
お父さんがすずきの骨を取り除いてサーヴしてくださった。
ワインをいただきながらのゆっくりとした食事。
仲の良い初老のご夫婦の暮らしの中で食べ物を大切にされるお国柄まで伝わり、
今、また憧れのように思い出す。
ジェロームさんは直子さんの夫です。
直子さんは日本酒や日本の調味料を扱う会社を経営されています。
サン・ナゼールの商店街でジャパンウイークが開催され
期間中大勢のフランスの方々が一対の千羽の鶴を折ってくださいました。
今年は第二次世界大戦の終戦から80年、
終戦のフランスはドイツ軍から解放されたお祝いの日だそうですが、
日本の終戦の日の気持ちを思うことから千羽鶴を折ることになり、
先日ジェロームさんと直子さんのご家族が手持ちで日本へ、
しかも気仙沼まで届けてくださった。
ほおっておいては平和は続かないと聴く機会がありました。
文化を知ることも含めて外国に友達がいることは、なんて嬉しくて幸せなことでしょうか。