2025.06.04
2025年6月|重箱のお弁当

NHKの朝ドラ「あんぱん」の中で時代は戦争になり
しかたなく乾パンを焼くような場面でした。
初代の吉之進さんとさださんの重箱
当時プラスチック容器などないため 重箱だったのでしょうから
今 重箱を想像するとごちそうが入っているのかと思いがちですが
そうではなく、質素でかんたんなお弁当が入っていたのでしょう。
さだおばあさんは
3人の子供のお母さんでしたが
ひとりは怪我がもとの病気で、もうひとりを戦争で亡くし
だんだんに心身を病むようになりました。
(戦地からは軍隊手帳しか還ってこなかったそうです)
それは、想像しただけでも、悲しく無理のないことだと思い胸がつまります。
晩年吉之進おじいさんは、
さだおばあさんとふたりで重箱にお弁当をつめて
お墓へ行って、ゆっくり過ごしながら
お弁当を食べたと聞いています。
母が斉吉に嫁いだ時に、さだおばあさんは、もう亡くなっていたから
会ったことはなのだけど
母はこのお弁当の話をお姑さんに聞いていたので
ずいぶん経って重箱の塗りが痛んできたときに
塗師さんへ塗りなおしをお願いして
吉之進 さだと 名前を入れてもらいました。
私は今 おじいさんの重箱と呼んで
大切に使わせてもらっています。