お客様の声 ハロー斉吉セット

2021.11.22

雪割納豆をつくる「ゆきんこ」さんに伺ってきました。

《山形で、雪割納豆との出会い》

以前、山形で「ぐっと山形」という道の駅へ行った際に
かわいいパッケージに目が留まり買ってきた、「雪割納豆」。

東北にいる私たちにとっても初めて知る納豆でした。
一口目、味噌のような濃さに驚きますが、
そもそも“納豆”だと思うからしょっぱいと感じたのでした。
旨味も香りもなんとも云われぬ滋味深い味わいで、
次から次とちょっとずつ箸が伸びて止まりません。
お酒のつまみにも、ご飯を食べるときに少しづつのせても美味しいだろうな、
納豆汁にしてみたら、もう旨味で旨味でこめかみのところがきゅっとなるほど、うまかったのです。

山形の米沢という江戸時代から続く上杉のご城下という土地にも憧れ
どうして米沢にだけこのような食文化があるのかもお聞きしたく
雪割納豆を作られている「ゆきんこ」さんへ伺いました。

その前にお電話すると、専務の佐野さんが「斉吉さん、気仙沼ならよく行くんで知ってますよ。
うち、本業が佐野水産という水産会社なんですよ!!」と仰る。
尚更興味が湧きました・・・!という事で早速お話を伺う為、山形県米沢へ。

会社に到着すると、そこは卸市場。
出迎えて下さったのが株式会社ゆきんこ・専務の佐野さん。
実は、佐野専務は双子の弟さんです。(写真左側が佐野専務、右側がお兄様の佐野社長です。)

お話しを伺うと、代々米沢に伝わる五斗納豆という食文化を
65年前に雪割納豆という商品にされていた会社さんがありましたが、
お辞めになることを聞いた佐野社長が「これが途絶えてしまうのは勿体無い」と、
雪割納豆の職人さんも残し、7年前の2014年に「株式会社ゆきんこ」として事業継承しました。

こうして、今私たちが
東北の米沢で食べ継がれてきた雪割納豆の美味しさに出会うことができたのは、
繋いでくださる方のお仕事のおかげで、とても有難いことです。

《農村の知恵が活きた、持続可能な栄養食》

雪割納豆の始まりは、山形の置賜地方の農村で余ったお米を麹にし、寝かせる。
11月頃から取れ始まる大豆で冬場にこたつで納豆を作り、
それを米こうじと塩で長期熟成させてできたのが、雪割納豆の起源だと考えられます

つまり、納豆に麹を加え、さらに発酵させた「麹納豆」です。
そして味噌のように発酵させて保存食にしていたそうです。
「3年味噌」という言葉があります。熟成して美味しくなるという意味が一般的ですが、
佐野専務が仰るには、「飢饉が2年続いたとしても、3年は暮らせるように。どうしたらたんぱく源を保てるか、という”命を繋げるための貯え”としての役割を担っていた」という意味があり、現代風に言えば、雪割納豆にもそういったサステナブルな食としての側面があります。

冬の間に貯えた納豆を春に頂く、置賜地方の昔からの食文化です。

《引き継がれる雪割納豆》

ゆきんこさんでは、自社で大豆を挽き割る作業から始めます。
納豆づくりが行われる部屋です。

手作業で行われる、納豆づくりの様子です。

契約農家さんのつや姫の麹です。

想像よりもずっと、さらさらしています。

納豆に、麹と塩が入り、3週間寝かせます。

熟成室の中で温度の上げ下げが行われ、徐々に発酵していきます。

麹は、樽の中でだんだん溶け、納豆と馴染んでいきます。

二度に渡る発酵の工程は、温度と湿度で厳密に管理され、調味料の配合も従来通り。

昔ながらのこだわりの製法が受け継がれて、雪割納豆は出来上がります。

「ゆきんこ」の佐野専務さん、置賜地方・雪割納豆の歴史から工場のご案内まで
貴重なお話をありがとうございました。

代々食べ継がれてきた米沢の食文化を繋いで下さるお仕事のおかげで、
雪割納豆の美味しさに出会えたことに感謝です。

               

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