お客様の声 ハロー斉吉セット

2021.10.13

気仙沼の造り酒屋「男山本店」さん

男山本店さん

男山本店さんの創業は大正元年。気仙沼で100年続く造り酒屋さんです。

男山本店さん、店舗です。

1930年、昭和初期に建てられた男山さんの本店である魚町店舗は木造3階建て、洗い出し仕上げの外壁の建造物で、国登録有形文化財です。

旧店舗は、東日本大震災の津波で流出し、3階部分の外壁と屋根だけをを残して倒壊。まちの復興が進むなかで、「まちの文化の象徴であったこの建物を復原しよう」という沢山のお声から、震災から9年4ヶ月を経た2020年7月、震災前とおなじ場所で再開されました。
詳しくはこちら男山本店さんのページをご覧ください。

長く地元に、また広く世界でも愛されている男山さんの蒼天伝から、斉吉の新しい企画「とどく酒たび」を始めさせていただくことになりました。

男山さんの専務・菅原大樹さんです。

SSI認定唎酒師・ANSA認定ソムリエの資格をお持ちで、「とどく酒たび」の企画では、お酒とおつまみのペアリングについてのアドバイスを頂きました。

本店のすぐそばにある酒蔵で杜氏である柏さんにお話しを伺ってきました。

酒蔵に隣接する「客座敷」のある建物にお邪魔すると、ふつうの建物では感じられないような、神社に来た時に似た、と言っていいのでしょうか。


 

とても神聖な空気です。こちらの建物は木造平屋で国登録有形文化財です。

酒蔵の入り口でよく見かけるこの丸い玉は何の為にあるのでしょうか。と、ふと伺いました。

「酒林(さけばやし)」(又は、杉玉)というそうです。
杉の葉を集めてボール状にしたものですが、このように緑のものと、
茶色い酒林

があります。

酒蔵さんが軒先に緑色の杉玉を吊すのは、新酒が完成したことを知らせるため。「搾りを始めました」というサインだそう。新酒の季節に吊るされた酒林は徐々に枯れていき、どんどん茶色がかっていきます。それがお酒の熟成具合と重なり、酒蔵の前を通る人々へそれを伝えるのだそうです。

気仙沼のお米と湧き水でつくるお酒

男山さんの看板商品である「蒼天伝」。宮城県の酒造好適米である「蔵の華」を使ったお酒です。


 

このお米も、地元農家さんがつくります。水も、気仙沼の湧き水を。柔らかいのが特徴です。

宮城県でこの「蔵の華」の酒造好適米ができたのはつい20年程前だそうで、それ以前はずっと、より技術が必要な飯米で作ってきた為、宮城県は長年、技術と品質にこだわってきた県だそうです。というのも、飯米の美味しい部分(タンパク質や旨味)はお酒造りのときには雑味になる為、お酒造りの際にはその美味しい部分を削り作ってきたからです。「良い酒は地方にある」という柏さんの言葉が印象的でした。お米や水と向き合ってきたからこそです。

地酒の誇り

これから本格的に酒造りが始まる、酒蔵の中に入れて頂きました。


お米をふかす甑(こしき)です。

(また、実際のお酒造りの時にもお邪魔したいです!)

3.11の震災の前、男山さんには「南部杜氏」といわれる杜氏集団が蔵人を引き連れ、酒造りが行われる冬の間だけ、泊まり込みで酒造りに来たそうです。震災後、その体制を変え、南部杜氏の技術を受け継ぎ、酒造も社内ですることに。そのため、現在は夏場を除きほぼ一年を通して、いま、お客様にどんなお酒を求めらているのか、社内で細かく意思疎通しながらお酒造りができているそう。

杜氏の柏さんは、「お酒造りは微生物という生き物相手の仕事。自分たちの都合で動けないときもあるけれど、手をかけた分だけ自分たちに還ってきます。2日間かけて作る「麹」も、作るうえでの楽しみの一つなんです。」と仰っていました。

               

ページトップへ